今年の品種紹介 その6 『ハツシモ』・・・大粒で寿司米に最適な、ハツシモ

今年植える品種の紹介。

今年は、『朝日米(旭米)』 『いのちの壱(龍の瞳)』 『亀の尾』 『滋賀羽二重糯』 『次世代の夢』 『ハツシモ』 『ミズホチカラ』 『豊コシヒカリ』 の全8品種を植えます。

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 5回目の今日は、『ハツシモの紹介です。

種籾は、我が防府市と同じく、昨年豪雨災害に見舞われた、兵庫県作用町で、もう何年も自然栽培をされている篤農家の方から譲っていただきました。

変わった名前なので、聞いたことの無い方も多いとは思いますが、名前の由来は、初霜が降りる位、遅い時期に収穫されることにちなんで付けられたそうです。

私が植える品種は、ほとんど収穫時期が遅い品種ばかりなのです。早く収穫出来る品種の方が売りやすいのですが、何故遅い品種にこだわるかというと、ズバリ『味』なんです。

お米は、粒にチッソが残っていないほど美味しく感じられます。自然栽培で、粒にチッソが残らない美味しいお米を作りたければ、登熟時期を出来るだけ遅くするしか方法がありません。本来、お米は寒暖の差が付いてから収穫するものなのです。

何故、東日本のコシヒカリは美味いのに、西日本のコシヒカリは不味いのか?それは、西日本でコシヒカリが早生品種なのに対し、東日本でのコシヒカリは晩生品種になるからです。要は、寒暖の差が付いてから収穫しているから、美味しいだけの事なんです。なのに、どうして西日本で、無理矢理コシヒカリを作る人が、こんなにも多いのでしょうか?理由はただ一つ、名前が通っている品種で、『売りやすいから』だけなんです。私も、就農後2年間コシヒカリのみを作って、その事に気付かなかったのですが、3年目に、コシヒカリ以外の色々な品種を植えてみて、やっとその理由に気付く事ができました。

今年の作付け品種を見ると、遅い(10月末頃)になって、収穫する品種が多いのがお分かり戴けると思います。

早生品種でも、遅植えし、登熟時期を遅くにずらせば、それなりに美味しいお米が収穫出来るのですが、この場合、株が張りきる前に出穂しますので、小米が多くなり、減収してしまいます。

話が大分それてしまいましたが、このハツシモ、大粒で、とにかく美味しいと評判だったのですが、栽培するのが難しいため、国内唯一の産地であった岐阜県では、今年から、縞葉枯病に強い『ハツシモ岐阜SL』という品種に全面的に変更されてしまいました。このように、生産者側の都合で、古き良き品種が、だんだんと消えていくのは、なんだか寂しいものですね。

以下、ネットで調べた情報です。

ハツシモ (地方番号 東山50号)

●育成開始年: 昭和10年 ●配布開始年: 昭和18年 ●品種等登録年: 昭和25年 ●登録有効期限: 不明 
●育成権者: 不明 ●育成権消滅年: 不明

●育成地: 愛知県 安城農業改良実験所 (現:愛知県農業総合試験場 作物研究部 水田利用グループ(安城) 安城市池浦町)

●交配組合わせ: 東山24号 / 近畿15号(農林8号)

●栽培特性・耐病性など:

系統「東山50号」は育成地(愛知県安城市)での出穂・成熟期は中生の「旭・朝日」程度又は稍々早く「農林8号」より遅い晩生、極大粒、良食味の水稲・粳種である。草型は中間型、稈長は91.0センチの長、稈の細太は稈径4.8ミリの中、稈の剛柔は中である。止葉長32.1センチ、止葉の直立の程度は中である。穂長は20.7センチのやや長、穂数は15.0(本/個体)の中、一粒着密度は88.4(粒/穂)のやや疎、穂型は紡垂状である。穎色は黄白、ふ先色は黄白〜黄、芒の有無と多少は少、芒長は中、芒色は黄白〜黄である。穂いもち圃場抵抗性はやや弱、葉いもち圃場抵抗性はやや弱、白葉枯れ病圃場抵抗性はやや弱、紋枯病抵抗性はやや強、イネカラバエ抵抗性は弱である。

●粒形・粒重・外観品質・収量性など:

玄米の形は長5.7ミリ、幅3.1ミリのやや細長、玄米の大小はやや小、玄米千粒重は24.9gの大、見かけの玄米品質は中の上である。心白の多少は極少、腹白の多少はやや少である。穂発芽性は難、耐倒伏性は弱、脱粒性は難、収量性は576.0キログラム/10aの多収極めて良質である。

●食味特性など:

食味は、極めて良い上の中である。寿司米に適する。

●適地・来歴・育成経過など:

原産地は愛知県。「東山50号」は農林省農事試験場鴻巣試験地において昭和10 1935年「東山24号」を母とし、「近畿15号」を父として人工交配を行い、昭和13 1938年にF3種子を岐阜県農事試験場における農林省指定水稲新品種育成試験(現農林省安城農事改良実験所)水稲新品種育成試験の供試材料として配付を受け、爾来選抜固定を図る。昭和18 1943年「東山50号」の系統名をもって関係府県及びその他府県に種子を配付して地方的適否を確めた。 初霜の降る頃に稔る、晩生の早にちなんだもの。 

試験成績及び配付先における試作成績から考察して主として東海地方の「中生の旭」並びに「晩生の旭」栽培地帯の肥脊中庸な土地及び乾田肥沃地に好適する様である。猶「農林8号」を栽培し稲熱病の発生が比較的少ない中山間地帯の一部に中晩生として適するものと思われる。耐病耐倒伏性に劣るため主に岐阜県だけの栽培であった。

次回7回目は、飼料・米粉用品種『ミズホチカラ』を紹介します。

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