2009年4月アーカイブ

さて、苗代の準備です!
まず、動力均平機で、あらかじめ水を張って柔らかくしておいた土の表面を平たくしていきます。
機械で表面をブルブルたたくことで、均一なトロトロ層をつくっていきます。手でやると大変な作業ですが、機械だと一発ですね。

kinpeiki.jpg



次に、

naesiro-nekiri.jpg


平たくなった畝(うね)の表面に、ネットを張っていきます。このネットは、根切りネットといって、田植えの時に、土深くまで入った根が簡単に切れるようにするために敷いてます。
次に、
置いたネットを土の表面と一体化させるために、トンボでならしていきます。

narasu.jpg



動画で見るとこんな感じです

有機栽培米(オーガニック米)−モミ撒き

本日は、朝からもみ撒きです。あらかじめ用意していた出芽済みの種モミを、種まき機で撒いていきます。米づくりで一番大事なのは苗を育てる事で、人によっては、育苗9割という人までいるほどです。

通常の稲作(ポット苗以外)では、1枚の平たいトレーのような苗箱に、底土を引き、全面に種モミをばら撒きます。大体、1箱あたり150〜200グラムのモミを撒きます。ですがこの方法だと、成長するにつれて、隣同士の苗の根っこが絡まりあい、お互いケンカしだして、苗の生育が短期間で悪くなり、苗疲れが起こってしまいます。ヒョロヒョロの苗です。

今回ユアブランドでは、ポット式苗箱というものを使います。1箱あたりの撒くモミの量は何と25グラム!当然ですが、ダントツに立派な太い苗に育ちます。これは、1セル1セルが独立した鉢のようになっているもので、1本1本独立した育苗ができ、力強い苗を大きく育てることができるという特徴があります。

まず苗箱を播種機にセットします
naebako.jpg

種まき機はコンベアー式になっていて、次の段階へ流れていきます。
次は土を入れます。これは種モミの底に敷く土です
sokotuchi.jpg

一旦底に敷いた土を、よく踏み固めます。なるべく土の量を稼ぐことと、余分な隙間を逃がして後で土がへこんでしまい、根の面積をかせげなくなるのを防ぐ為です。
fumifumi.jpg

つぎにいよいよ、モミ撒きです。1セルに1〜3粒の目安で種モミが落ちるように微調整しています。
通常のポット用モミ撒き機では、3〜5粒のモミを撒きますが、何と何と、ユアブランドのモミ撒き機は特別仕様ですので、1〜3粒撒きが出来るんです!1粒しかモミが落ちなかった所なんか、もの凄い苗が育つんですよ!
momimaki.jpg

最後に、覆土です。表面の土を被せます。これらの作業を、本当は手作業で行いたいところではありますが、あまりに気が遠くなりそうなくらいの数ですので、機械の力を借ります。

fukudo.jpg

これら一連の流れで、モミ撒きは終了!!間髪いれずにつぎは苗代へと運んでいきます。ガンバレ会長!
kaicyo-nae.jpg

動画で見るとこんな感じです

<風乾・芽止め>
今日の作業は風乾(ふうかん)と芽止め(めどめ)です。
お風呂でほぼ均一に芽が出そろったら(催芽・さいが)、お湯からあげて、乾燥させます。
saigaowari.jpg

催芽(さいが)が終わるとこんな感じ!元気な白い芽がたくさん出てきました!
芽がけっこう伸びているものもありますが、平均で1ミリくらいを目安に、芽出し作業を終了させます。
つぎに風乾ですが、これは種モミの表面を乾燥させる作業です。
muro.jpg
こんな感じで、むしろの上に広げて、風を当て陰干しして乾かします
これはまだこんもりしていますので、もう少し平たく広げて、空気に当て、乾燥させます
何の為かというと、この次にいよいよモミ撒き(種モミをまく作業)を行うのですが、種モミが塗れた状態だとベタベタして引っ付き、モミ撒き機からスムーズに落ちない為、撒きにくい、作業性が悪くなるからなんです。
むしろに広げた種モミは、陰干ししながら、何度か手でかきまぜて、ひっくり返します。乾き具合を均一にするためです。表面が乾いていても底のほうはまだ湿っているからです。この時、やさしく、やさしく手でかきまぜてやります。赤ちゃんをなでるようにやさしく・・・。ガガーッとまぜるとせっかく出た、まだ柔らかい芽がすぐに折れてしまうからです。
稲作は全局面で一切気が抜けません。だからこそ繊細な気遣いができる日本に根付いたのでしょうね。
風乾させるとともに、乾燥させて、一時的に芽を止めます。芽が伸びすぎたらもやし状態になるとともに折れやすくなります。しっかりとした苗を作るための、種まき前の、芽が出た瞬間の状態で一時停止させ、条件を揃える作業が芽止めです。
さーて、つぎはいよいよもみ撒きです!ゴールデンウイークは家族総出でコメづくりだ〜!

<催芽>


今日は、催芽(さいが)をします。催(もよおす)芽(め)と書いて、さいがと読みます。今回行う、ポット育苗では、こんなポット田植え機専用苗箱を使います。

cell.jpg

この1セル(1つのまるを1セルと言います。すごく小さな植木鉢みたいなものです)ごとに独立しているのが、特徴です。この1つに対して、1粒から2粒の種もみをまいていき、セルごとに独立して育苗をします。
通常の稲作では、一枚の平たい育苗箱にモミを敷き詰めるようにばらまきしますので、稲の苗同士がからまり、競合(ケンカし合う)して、良い苗に育ちません。
ポット育苗ではこの独立した環境で成苗(せいびょう)になるまで育てた上で、田んぼに移植します。
その第一弾のポイントが、今回の催芽(さいが)。均一に芽を出させてそろえてやることで、後日独立した各セルに種モミをまいた後の稲の生育をそろえてやろう、という試みです。
今回は、ユアブランド社長自宅のお風呂を占領!
jyajya.jpg

湯温を27度に設定し、ジャブンとつけては、またあげます。ジャジャー!これを何度か繰り返すと、中のほうの種モミまで均一に温度が行き渡り、条件をそろえてやることが出来ます。酸素が必要なんで、熱帯魚用のエアレーションで、ブクブクしてます。お湯は、3時間おきに交換します。夜2時の水換えは・・・少し辛いなぁ(^_^;)品種によっても違いますが大体12〜36時間で催芽が完了します。

たっくん「うふふふ〜お米がおしっこしよる〜〜」

なかには、早くも発芽してきたものがありました〜!こんな感じです。

saiga.jpg
・黄色の矢印・・・まあまあ芽がでてきた状態
・黄緑の矢印・・・これから芽がでるぞ、の状態(少し膨らんでいて、モミ殻が割れるかどうかの状態)

です。今は0.3ミリくらい出芽していますが、これを1ミリ程度の出芽でそろえるための作業が今回の作業でした!明後日が楽しみだな〜。
ちなみに、社長宅では今日はお風呂を占領されたので、温泉へと出かけていきました(笑)

先日、事前に実験を行いましたが、芽が出る順番は、品種順に、朝日→豊こしひかり→こしひかり→ミルキープリンセス→にこまるの順番でした。品種によって1日以上発芽完了までの時間が変わるんですよ。

pic-008.jpg
昨日、酢に漬け置きして一昼夜おいた種もみを、今日は水で洗い流します。そのまんま酸っぱい水に漬けておくと強烈すぎてお米までま逝ってしまうからです・・・洗うのはユアブランド前の川。佐波川という一級河川の清流が分岐した川です。下流にはキリンビバレッジさんの工場もあったりして飲料水として全国に販売されてます。昔はよくこの川でどんこや藻エビを網ですくったものです。
(すみません、店長の素足が入ってしまいました・・・)

pic-005.jpg
ジャブジャブジャブ・・・種モミにからみついている酢を良く流します。今日は店長登場です。


pic-006.jpg
会長が手伝いに来てくれました。会長はいつでも笑顔で人気者です。洗った種モミを運んでくれています。

pic-012.jpg
社長が見学に来ました・・・花粉症でちょっと辛そう。

pic-019.jpg
一昼夜酢水に漬けていたモミは、乾燥した休眠状態から、水を吸ってだんだん息を吹き返してきています。さあこれからです。

pic-025.gif
今日も空が綺麗です。

今日は種モミをつくります。
つくると言っても、モミをつくるわけではありません・・・・・。
植える前の前処理をするんです。
有機栽培に使う種モミは、天日干しされた消毒していないものを取り寄せてます。
今年は、収穫順に、ミルキープリンセス(白袋)、コシヒカリ(青袋)、豊コシヒカリ(赤袋)、にこまる(緑袋)、朝日(黄袋)の5品種の種籾を取り寄せました。

<塩水選>

まず、種モミのなかから、より良い種を選別します。これを塩水選といいます。

pic-047.jpg


まず塩を良くかきまぜて溶かします。今年は良くとける様にぬるま湯をつかってみました。比重は、なんと1.16。ちなみに、海水は1.02、死海の水は1.33です。舐めると、塩っ辛〜!より充実した苗を作る為に条件を上げます。 湯が冷めてから、種籾を入れます。

pic-084.jpg


塩水に種モミをどさっと入れたところ。なんとこんなに浮いています!種の充実度が低い(ペラペラ、軽い米)ものは、ここで浮いてきますので、すくって捨てます。こうすることによって、より良い種モミのみを選別し、パワーを持った種をまく事で発芽から初期の生育をスムーズに進めるのです。

pic-062.jpg


とても楽しそうにすくう、Tさん。ちょっとこわもてですが、気は優しく力持ちです。

pic-031.jpg


なにやら怪しい液体を皆で分けています・・・・・

<消毒>

pic-037.jpg


先ほどの液体は、料理にも使える「酢」でした。通常の稲作では、種モミを殺菌剤(農薬)につけて、いもち病という稲の菌を殺します。第一回目の農薬です。有機栽培の場合は、ここで、お湯につけて熱で殺菌したりしますが、今回は酢、つまり酸の力によって殺菌しています。

pic-096.jpg


このように酢を入れて水を張ったたらいに、24時間漬け置きして、種モミについている菌を殺します。Tさん、この時、酢を浴びてしまい、ユアブランドスタッフのYさんから、「あんた酸っぱいよ!あっち行っとき!」と邪魔者あつかいされてました(笑)

よく耕した田んぼに、溝を切って、苗箱(なえばこ)が並べられるように畝(うね)をつくりました。

011.jpg
ふぅ〜。休憩しよっと。(なにもやってないのに一服するたっくん)
畝(うね)ができたら、土の表面を全部平たくならしていきます。そして、水を流し込みます。水を流し込んで見ると、きちんと土の表面が平たくなっているか、水のかぶり具合で分かります。 025.jpg
隣に、緑の草が覆い茂っているのは、マメ化の草です。田んぼ全体を覆っていますが、これは昨年の稲刈り後に種まきをしたものが、子供の背丈以上に伸びてきているんです。 018.jpg
マメ科の草は、空気中から窒素分を取り込んで、葉や茎、根に保持する力があります。通常の稲作では、粒状の科学肥料を撒いて、稲に吸わせるんですが、化学肥料っていうのはドーンと効く代わりに、作物が急成長しやすい、虫もつきやすい→農薬が要る→その代わり沢山お米が収穫出来る(人間の都合で、むりやり沢山作っている訳ですね)、という悪循環になります。 有機栽培とは、無農薬、無科学肥料が基本になります。でも、ただの有機栽培じゃ面白くない。。。今年の肥料分はこのマメ科の草が空気の中から取ってきて根っこ(土の中)に蓄えている『窒素』のみになります。 実は他に必要な、『りん酸』や『カリ』なんて、田んぼの中に、沢山たまっていて、肥料をまかなくても余るくらいあるんですよ!

マメ知識

窒素(N)=背丈を大きくする
りん酸(P)=花を力強く咲かせる
カリ(K)=根っこに力を与える

・・・小学校の頃習ったような???

つづきは・・・現代農業2009年5月号で、お勉強してね(*^。^*)

001.jpg

このたび、ユアブランドでは、農業を始めました!!!

なぜ急に!!?とお思いかもしれません・・・・。

ユアブランドの周りには山と川と田んぼがいっぱいありますが、高齢化が進み、荒れ放題の田が年々増えてきています。このままじゃヤバイと思い、耕作放棄田に立ち向かうべく、ユアブランドが立ち上がりました!

外国産食品の偽装や異物混入。・・・自分達もそうですが、なにより小さい子供へは、本当に安全な、信頼できる食を提供してあげたい・・・ならば自分で作るしかない!まずは主食のコメからだ!

と、いうのは表向き(半分本気かな?)、実はユアブランド石田家は、農業大好き一家だったのです。
実は、3年前からお米を作っているんですよ!

昔、店長が小さい頃、店長父(会長)は、長ーい、いちごの畑をつくってくれていて、畑にボールを持って行ってはいちごをいっぱい取って、食べていた記憶があります。ヒヨという鳥に、畑のいちごをみんな食べられて、とても悲しい思いをした記憶があります(笑)
今ではじいちゃんは、たっくんのためにいちご畑を作ってくれています。

そして、家は製造業なのに、何を思ったか、店長は大学農学部に進学。色々と農業の勉強をして参りました。

卒業論文はサトイモの研究でした。ですので、店長の得意料理は、お煮しめです(笑)
店長の自宅には、いろんなみかんや、葡萄、すもも、アンズなど、果物の木がいっぱいです!

そして今回登場した謎のTさん。

Tさんは、これまでの人生でいろんなことをやってきましたが、4年前のある日突然、農業に目覚めて、今では有機栽培に燃えに燃えております。

これまで数年間、コシヒカリをつくってまいりましたが、これがなかなかおいしい。毎年9月中旬に収穫し、予約を含め10日ほどで、全て完売しています。

そして今年耕作面積を倍の2.2ヘクタールに拡げ、ついに、有機農法でのコメづくりにチャレンジ!

全国に散らばる、お師匠さんたちの、これは良いなと思うところだけを取り入れ、農家の人達もが食べて見たい!と思えるコメを自分自身でつくってみようというプロジェクトです。農家のじいちゃん・ばあちゃんが、孫の為に、買いに来てくれるような、夢のような米づくりに挑みます!

果たして、化学肥料も、鶏糞や牛糞などの有機肥料も、農薬も、除草剤も入れずに、草の種まき&田植えだけした田んぼで、お米がとれるのか???
それは、秋になってのお楽しみ(#^.^#) 

収穫に向けた第一歩、今日は苗代(なわしろ)作りです。
(普通のコメづくりではこんなことはやりません。JAさんで苗を買うのが普通なんです)

写真は念入りに耕した田んぼに、溝を切っているところです。

今後、店長が思う、食の安全や自然についての色んなことを書いていって見たいと考えています。よろしくね。